日歯メールマガジン-[No.079 08/11/10]

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1》コラム<テイク・オフ>
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食品による窒息事故への正しい理解を
 日本歯科医師会地域保健・産業保健担当常務理事 池主 憲夫

 このところ、食品による窒息事故が問題になっている。
 マスコミや政府の追及が限定されているために、カップ入りゼリーなどの特
定の食品の欠陥だけが問題視されるような傾向がある。
 しかし、平成19年度の厚労省の調査によると、窒息事故で命を落とす人は年
間4千人以上(1日11名)
に上り、その原因となる食品は、1位餅、2位米飯(お
にぎりを含む)、3位パン、4位魚介類、5位果実類
と、いわゆる主食とそれに準
ずるものが大部分を占めている。アメや問題のゼリーは、ごく一部にしか過ぎな
いことが示されているのである。
 食品による窒息は、まさに摂食・嚥下の事故である。これは、常に日常生活に
潜む危険であり、その対象の多くが老人や小児ということなどに鑑みると、窒息
に係る正しい情報を提供していくことは、歯科の重要な社会的役割と言える。

 日歯は、「しっかり噛んで食べることは、今すぐできる窒息予防」を社会に
早急に訴えるべく、その準備を進めている。

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2》JDAウィークリー
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日歯、塩谷文科相に需給対策要望
 質の確保へ近隣国立大の機能分化推進など求める


 日歯は11月5日、大久保満男会長と箱崎守男副会長が文部科学大臣室を訪ね、
塩谷立文科相歯科医師需給に係る要望書を手渡した。
 日歯は、質の確保の観点から、国立大学歯学部に対して入学定員削減を行っ
た上での研究中心の強化及び機能分化を図ることを要望。また、医師養成課程
を併せ持つ私立大学歯学部に認めていた、「平成10年度の入学定員から10%を
超える削減を行う場合の、削減分の医師養成課程への上乗せ」などの施策を、
国立大学歯学部に対しても講じるよう求めた。
 私立歯科大学・歯学部に対しては、入学定員削減の大きな障害となっている
経営面の問題を解決するために、財政的支援を含めた入学定員削減の促進策を
講じるよう要望した。

■日歯、介護報酬改定に向け意見書提出
 社保審・介護給付費分科会

 社会保障審議会介護給付費分科会が10月30日、都内の航空会館で開催され、
日歯は次期介護報酬改定に向けて、給付調整の撤廃や、介護保険施設入所者に
対する専門的口腔衛生管理体制の整備などを求める意見書を提出した。
 給付調整の撤廃では、口腔機能向上が平成18年度改正で導入されたものの、
歯科医療を受けながら介護予防サービスを受けることができない状況にある
ことに鑑み、改善を求めた。
 また、重度の要介護者は口腔機能管理の必要性が重要であるにもかかわらず、
介護老人保健施設介護老人福祉施設歯科医師・歯科衛生士が配置されて
いないケースが多いことから、口腔管理が適切に行われるような体制の整備も
要望した。

どうも、文部大臣への要望書については、あっさりし過ぎてるので、他の先生のブログから詳細をアップ。

日歯 塩谷文科大臣に要望書

日本歯科医師会の大久保満男会長・箱崎守男副会長と日本歯科医師連盟の蒲生洵副会長は11月5日、塩谷立文部科学大臣静岡8区)を訪れ、平成18年8月31日に文部科学大臣及び厚生労働大臣の間で取り交わされた確認書を踏まえた3項目の要望書を手渡し、対応を強く要請した。10月18日の東海信越地区歯科医師会役員連絡協議会で、塩谷大臣が歯科医師需給問題等の解決に向け積極的な姿勢を示したことを受け、箱崎副会長が「文科省と日本語で対話ができるようになったのは、ここ2〜3年のこと。それまでは歯科が何をいっても、文科省に通じることはなかった。今日、塩谷大臣から入り口の部分を課題にして文書を持ってきてほしいとの要請があった。日歯として責任を持って大臣にお届けしたい」と話していた。今回の要望書は、日歯がこれに即座に対応したもの。要望書は以下のとおり。

【要望書】

歯科医師過剰問題、歯科医師国家試験合格率の低下等により、近年、歯科大学(歯学部)の入学希望者が減少している。さらに、私立歯科大学(歯学部)の一部に定員割れが生じている。このような状況が継続すれば、歯科医師の資質の低下を招くおそれがある。国民に対して良質の歯科医療を提供するという責務を達成するために、平成18年8月31日に文部科学大臣及び厚生労働大臣の間で取り交わされた確認書を踏まえ、下記のとおり要望する。

               記

1)大学院重点化を行った国立大学歯学部が、学部学生入学定員の削減を行い、研究中心の強化を図ることを要望する。また、大学院重点化を行っていない国立大学歯学部が、近隣の国立大学歯学部と相互に連携・協力し、歯科医師養成あるいは卒後研修教育を中心とする等の機能分化を図ることを要望する。

2)医師不足対策のための医師養成数の増を図るために、私立大学の歯学部定員の医学部定員への変更を認めることが、平成20年8月に通知されたが、国立大学においても、私立大学と同様の施策を講ずることを要望する。

3)歯科医師の資質の向上の観点から、入学者の質を確保するための入学定員削減は重要な課題である。私立歯科大学(歯学部)においては、経営上の問題が大きな障害となっているので、財政的支援を含む入学定員削減の促進策を要望する。

【デンタルタイムス21速報 :2008年11月7日】



需給対策が従来の歯学部定員定員削減一辺倒から、新たな目標に向って大きく変化してきた一つの表れです。特に、今回は、可能性のある具体的な要望をしたのが特徴です。

また、今回の文科大臣への要望書提出は、連盟でのデンタルミーティングに大臣が参加して、先の確認書の存在を知らないことが分かったのが事の発端で、日々の連盟活動の大切さも感じる今回の要望書提出です。そしてこれは大学サイドだけで進められる話ではありません。


それに対するある方のコメント


国立大学歯学部への要望内容には首を傾げます。需給と歯科医師の資質向上などの問題は、私立歯科大学(歯学部)の自然淘汰により改善されるのではないでしょうか。
私立歯科大学(歯学部)への財政支援はあり得ないのでは・・・・


全く同意ですネ。
学生の質を担保したいなら・・・・
歯科医師の需給を入り口でコントロールし易くする為には、私立と国公立の比率は・・・・