日歯メールマガジン-[No.064 08/07/21]

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コラム<テイク・オフ>
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日歯地域ネット誕生 
日本歯科医師会地域保健・産業保健担当常務理事 池主 憲夫

 平成20年度の日歯の活動は、国民約7千万人を対象とする新しい保健医療制
度である「特定健診・特定保健指導」、さらには現在、根底から揺らぎ始めて
いる「後期高齢者医療制度」への対応に重要性が増している状況にある。

 その課題の多くが集中する地域保健部門としては、これらの全国的な制度の
動きに対応すべく今年度、「日歯地域ネット」を試行事業として立ち上げた。

 IT活用の概念自体が刻々と変化し続けている中で、各地での速やかな状況の
把握(情報の収集)と先駆的な地域の活動事例の収集(情報の共有)を目指す
「日歯地域ネット」の活用には、多くの期待が込められている。

 地域保健委員会は今期の活動のスタート時に、「歯科疾患のもたらす苦痛や
煩わしさから開放されるために、歯の喪失リスクの低減と生涯にわたる口腔保
健関連QOLの維持・向上を専門家として支援する」という歯科保健活動の「使
命」を確認した。

 この考え方をより多くの会員が「共有」することが、本システムへの期待の
根源にあると言える。

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JDAウィークリー
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歯科医療費2.5兆円、対前年度比▲0.2% 受診延日数減少の影響受ける
 平成19年度医療費の動向―中医協総会

 中医協総会が7月16日、厚労省内で開催され、平成19年度の医療費の動向が
報告された。

 歯科医療費は2.5兆円で、構成割合は前年度の7.7%から7.5%に減少した。
伸び率は対前年度比▲0.2%で、内訳は受診延日数が同▲1.4%の4億1千万日、
1日当たり医療費が同1.2%増加の6100円。1日当たり医療費が平成13年度以来
となる増加の伸び率を示したが、受診延日数が減少した影響を受けて歯科医療
費はマイナスの伸び率となった。

“標準化”の文言は削除

 厚労省、「歯科診療ガイドライン」の基本的方針を公表

 厚労省は7月10日付で、歯科診療ガイドラインを作成するための基本的な方
針を取りまとめた「歯科診療ガイドラインのあり方について」を公表した。

 これは、患者の視点に立った安全・安心で質の高い歯科医療を提供できる体
制を構築する一環として、厚労省の「歯科診療所における歯科保健医療の標準
化のあり方等に関する検討会
」がまとめた報告書。都道府県会長会議や代議員
会等で議論紛糾した「標準化」については、ガイドライン作成の目的に対して
誤解を招くため削除された。

 報告書では、「歯科診療ガイドライン」について、一般の歯科診療に従事す
歯科医師が科学的根拠に基づき、特定の臨床状況のもとで行う歯科疾患の予
防及び治療の適切な選択、意思決定を支援するものであり、「手技の解説や保
険診療の指針等とは異なる
」ことを明記。さらに、「歯科医師の裁量を規制す
る趣旨のものではない
」とした上で、適切な選択に資するため、「医療者、患
者・国民向けの2種類が揃うことが望ましい
」としている。

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お知らせ
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歯科用抗生物質製剤の使用について(お願い)

 今般、医療機関における血糖値測定等に用いる採血器具の使い回しに係る報
道が増えてきており、歯科におきましても、過日、歯科用抗生物質製剤の使い
回しが報じられました。

 これらの歯科医療器具は、感染の危険性から、患者1人1回限りの使用が原則
となっています。

 会員の皆様におかれましては、ご使用の際にはお手元の添付文書、医薬品カ
タログをご確認の上、今後とも、歯科診療における感染予防の立場からも適切
にご使用くださいますよう、よろしくお願いします。

平成20年度歯科医療従事者に対する感染症予防講習会 実施要領

 本講習会は、歯科治療時の患者及び歯科医療従事者へのHIV感染症の感染
を防ぎ、患者が安心して歯科治療を受けられるよう歯科医療従事者に対して講
習を行い、院内における感染予防の徹底を図ることを目的とする。

○対象:診療に従事する歯科医療従事者
歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士ほか)
○研修テーマ:歯科診療に必要な感染予防対策の実際
○日時・場所:
宮城県歯科医師会館 10月5日 10:00〜
広島県歯科医師会館 10月19日 13:30〜
・千葉県歯科医師会館 12月7日 13:00〜
沖縄県歯科医師会館でも開催を予定しているが詳細は調整中
○申し込み:各々が開催都道府県歯宛てに申し込むこと。ただし、応募者多数
の場合は会場の収容人数の関係上、申し込みをお断りする場合がある。受講料
は無料。受講した者に対しては、受講修了証を授与する。
※受講申し込み後、何等かの事情で欠席する場合は、必ず開催都道府県歯にそ
の旨連絡すること。