日歯メールマガジン-[No.077 08/10/27]

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 コラム<テイク・オフ>
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■機構改革の実施について
 日本歯科医師会副会長 堤 直文

 日歯の機構改革について検討を進めているので、その経緯について報告したい。
 改革というものは、現在何らかの問題があるから対応するものであろう。
そこで現在の日歯における制度、事業、組織の各々について、まず問題点を
列挙し、その問題点の各事項について、分析・整理・検討している。
 検討課題は、1.制度改革として、会員種別や入会促進2.事業改革として、
日歯の事業の検証など3.組織改革として、日歯事務局組織や地区(ブロック)
制の再編成について、などがあり、順次検討し、理事会の協議題として提言
している。
 この中で、地区制については、平成8年の定款等検討臨時委員会で検討課題
として取り上げられ、その後平成10年の定款・諸規則検討臨時委員会で検討され、
平成14年の定款等改正委員会では、「重要課題である」とし、合理化を図るべき
ことが付言されていた。
 これらを踏まえ、また、平成19年10月の機構改革検討委員会の答申もあり、
第161回代議員会で、10地区制から7地区制に変更する議案が可決されたところ
である。

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 JDAウィークリー
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■“完全義務化撤廃”“手挙げ方式” 求める
 オンライン請求で三師会が共同声明

 三師会は10月22日、厚生労働大臣室に舛添要一厚労大臣を訪ね、レセプト
オンライン請求に対応できない医療機関等が撤退することによる地域医療崩壊
を阻止するため、請求完全義務化撤廃と、手挙げ方式を求める共同声明を手渡
した。
 共同声明を受けて舛添厚労大臣は、「与党決議であるので難しい」としたも
のの、地域医療の崩壊に拍車がかかることには一定の理解を示した。
 また、同日に三師会合同記者会見が開催され、大久保満男日歯会長は、
「対応が困難な歯科医師が、医療現場からの撤退を余儀なくされることで、地域
医療が混乱することを憂慮している」との見解を示した。

■渡辺委員、実調6月調査の見直しを要望
 中医協総会

 中医協総会が10月22日、厚労省内で開催され、平成22年度診療報酬改定に
向けた第17回医療経済実態調査のスケジュールを了承した。調査は前回同様
改定前年の6月に実施する場合、平成21年の10月下旬に速報値を報告する。
調査のあり方については、日医が示した改善案をたたき台に、今後、調査実施
小委員会で検討していくこととした。
 日医が示した医療経済実態調査の改善案は、▽決算ベースで把握する▽定点
調査を基本とする、など。
 これを受けて渡辺三雄委員は、日医の改善案に基本的に賛成の意向を示した
上で、調査時期並びに単月調査からの見直しを要望した。

■専門家の意見を参考にしたセルフケアの実践呼びかける
 Living Health & Life フォーラム

 Living Health & Life フォーラム「セルフケアから始まるお口の健康
〜フッ素のチカラで歯を守る〜」(主催:日本歯科医師会・サンケイリビング
新聞社、協賛:明治製菓株式会社)が10月21日、東京・新宿紀伊國屋ホール
開催され、第一部として、飯島洋一長崎大学大学院医歯薬学総合研究科口腔
保健学准教授が「フッ素の上手な使い方〜フッ素の効果とセルフケアを中心と
して〜」と題して、講演を行った。
 また、第二部では、石井実和子・東京都歯科医師会附属歯科衛生士専門学校
教務主任、荒川千賀子・同専任教員が、むし歯や歯周病を防ぐための講演と
正しいブラッシングの実演を実施。来場者に見えやすいよう、会場内に同校の
学生を複数配置して解説した。
 第三部では、飯島、石井両氏による「Q&Aコーナー」が行われ、来場者の事前
質問に回答。両氏ともに、専門家である歯科医師・歯科衛生士の意見を参考に
した上でのセルフケアの実践を呼びかけた。

三師会が「レセプトオンライン化一律義務化反対」の共同声明を出した。
その一方で、以下の記事がほぼ同日で出ました。

(株)NNTデータが日歯レセコンソフト開発へ
http://espelana.blog109.fc2.com/blog-entry-692.html

日本歯科医師会10月定例会見

平成22年1月からサービスを開始

日本歯科医師会は10月23日,定例会見を開き「日歯レセコン開発事業」などについて説明した.担当の近藤勝洪副会長以下概要を述べた.

<近藤副会長の概要説明>
平成22年の1月から,日本歯科医師会レセコンソフトのサービスを開始したい.日歯がどれくらいの金額で会員に提供していくかについては,まだ最終的に決まっていない.
本日の理事会で会長一任になった.選定企業は(株)NNTデータに決まった.
日本総合研究所に委託し,4月に幅広く事業者に対し公募・説明会案内を出し,日本総研が第1次選定で5社を選定した.5社から日歯もプレゼンテーションを受け,レセプトオンライン検討員会が答申し,7月の理事会で第2次選定として3社を選定した.
さらに2社に絞り込んだ.同時に富士ゼロックスとアドバイザリー契約を7月に締結した.9月レセコン未導入者を対象にレセコン開発事業に係る調査を実施した.10月の理事会でレセコンソフトは開発事業化を決定し,事業者としてNNTデータを選定した.
今後,どの段階でも評価を行う方針であるが,NNTデータが一番評価できた.当初は価格面で折り合わなかったが,最終的に日歯の意向を理解してもらった.同社の熱意を感じることができた.
これから時間をかけて,会員のためのレセコンソフトの開発に手を組んでいける事業者である.
日歯がNNTデータに支払う金額は現時点では言えない.当初は数10億円の開発費を提示された.第1次選定5社も開発費用にバラツキがあった.そのなかでNNTデータが最も低い開発費であった.
レセコンソフト未導入の会員負担の金額も(受益者負担)未定である.全会員の会費でレセコンソフトの開発を行うので,その会費を一部の会員のために使うのはどうか,という意見もあった.
しかし,色々な形で日歯にデータが入るので,それを全体的に会員に還元できる.そこで受益者が負担し,補う形で日歯も負担する.具体的には11月の契約時に会長が決める予定である.
既存のレセコンソフトと比べ,はるかに単純な,初心者でも簡単に操作できるソフトの開発を目指す考えである.予約,画像管理,各種集計,カルテ作成等の多様な機能は有しない.
患者登録管理,診療入力,窓口清算,レセプト作成,レセプト管理などができるレセコンソフトである.基本的にカルテにはならない.電子カルテも考えていない.
また,富士ゼロックスとのアドバイザリー契約は,日歯がレセコンソフトを開発する能力はないので,当然,IT関連の複雑な内容をNNTデータ側と話す際に,色々な意見を専門的な立場でいただいてきた.選定に係る部分についても,日歯の立場に立ってアドバイスをいただいた.

<大久保満男会長補足説明>
レセコンを持っていない会員が約2割いる.未導入者の救済策として,レセコンソフトを開発する.あとの8割はレセコンを持っているが,そのままオンライインに乗れるわけではない.そこに誤解があり,レセコンを持っていればそのままレセ電に対応できるわけではない.
できるだけ簡便で,しかも安価で余分な機能はいらない.最大限これだけあればレセ電に対応できるレセコンソフトにする考えである.日歯にはこれまで,その対応がなかった.日本医師会にはすでに色々あるので,日歯が独自に開発せざるをえなかった.
また,1社が最終的に選定されたが,そこには利害生じる.なぜその1社が選定されたのか.不透明や不明朗なことは1点もない,という進め方をしろと私は厳しく申し入れ,それが守られてきたと感謝をしている.我々は専門家ではないので,第3者的,外部の客観的な目や専門家の意見を必要としている.きちんと評価をしてもらったので,恣意的な形で1社を選定したわけではない.

共同宣言は、オンライン化が一律義務化になったら診療所を閉院すると言っている先生方のことを考えたものであり、日歯謹製のレセコン開発(日歯はレセコンとは言っていない、開発企業もNTTデータなのかNTTコミュニケーションズなのか情報が錯綜しているようですが)については、手書きレセプトの医療機関でオンライン化への対応を考えている方々への配慮と言う事でしょうか。
それだけではなく、既存のレセコンメーカーのオンライン化対応ソフトへの乗り換え、オンライン化に伴う新たな費用負担を強いることへの牽制になるわけです。その他、レセプト・データを直接歯科医師会が利用することが可能になる、レセプト・チェックソフトの仕様、運用に関しても意見を言えるようになる。認証局を作ることで、会員は一括してレセプト請求ばかりでなく、医療連携、クリティカル・パスの発行などに利用出来る。

多分、日歯が何もしなくても、レセプトオンライン化に関してはメーカーが対応してくれます。ただ、どのくらい吹っかけられるかは・・・
電子点数表が出来れば、それに沿ってレセプト・チェックソフトも出来てくるし、メーカーは組み込み済みのソフトを出すでしょう。しかし、メーカーはチェックの行き過ぎや不合理については意見を言う事はなく、一生懸命に如何に電子点数表の定義どおりにチェックソフトを作るかに没頭するでしょう。

決して、手書きレセプトの先生方だけのために「レセコン開発」はムダなどとは考えないで下さい。

本音としては、誰もメンドウな「レセプト代行請求」などに関わりたくない。唯一のチャンスは日歯が「レセコンソフト」を開発することなのです。それに費用負担だけで異を唱えるとすれば、そう言った歯科医師会は一部の会員を見捨てることを公言するようなものです。
歯科医師会がやらなくても、支払い基金が、国保連合会がやってくれる。そうかもしれませんネ。その後は、返戻の嵐でしょうか???紙で出しても電子データに変換されて、そこでチェックを受ける訳ですから。