日歯メールマガジン-[No.076 08/10/20]

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コラム<テイク・オフ>
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■日歯レセコンの開発
 日本歯科医師会副会長 近藤 勝洪

 日歯レセコンの開発については、レセプトオンライン検討委員会、理事会
そして都道府県会長会議、代議員会等での度重なる議論を通じて、『必要不
可欠』
であることへの理解を得ており、実現可能かどうかについても、いよいよ
最終的な判断をする段階にきている。
 開発には多額の費用が必要であり、会員の合意が得られる方法を模索しながら、
準備を進めている。日歯レセコンは「レセコン未導入会員を主たる対象とし、
レセプト電算化対応及びオンライン化対応のための必要最低限の機能を持つ」

としているが、既導入会員に対するプラス効果をどのように理解してもらえる
かも重要な課題である。
 また、レセコンを開発した場合のユーザー数の見積もりも、開発に当たっての
条件となることから、日歯では会員の内、レセコン未導入者を対象にアンケート
調査
を実施している。
 何れにしても、手挙げ方式の実現に向けて最大限の力を結集していくことは
もちろん、オンライン化による多くの問題点を限られた時間の中で、解決して
いかなければならない。

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JDAウィークリー
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■レ・プリゼンタティブ
 大久保満男会長コラム「会意」

 去る9月24日(水)の臨時国会において、麻生太郎首相が誕生しました。
 それに先立つ自民党総裁選では、5人の候補者が経済政策や外交問題で舌戦を
展開しましたが、注目した社会保障政策に関しては、一人を除き他の4人の候補
者が表現の違いこそあれ、「これ以上の抑制は限度に来ている」という見解で
した。
 麻生新首相とは、以前外務大臣や幹事長職にあった時に表敬訪問をしており、
さらに無役の時には長時間にわたって、我が国の現状と将来等の問題で、互いに
率直な、そして友好的な議論の場を持つことができました。その時、麻生首相
「地域医療の崩壊」という明瞭な危機意識をお持ちであったことを確認して
おります。
 このような政局の中で小泉元首相が引退を表明されました。一つの時代が
終わりを告げ始めたのではないか。それが率直な感想です。一つの時代とは、
政府による再分配政策、つまり社会保障や公共事業を縮小し、民間に任せると
いう市場主義的な時代のことです。
 私は、本欄においても、さらにそれ以前からも、国の責務を明確にしない
ままに、「官から民へ」のスローガンだけを掲げる政策の進め方に強い異議を
唱えてきました。そして改めて今、この数年間のいわゆる「小泉改革」を振り
返ってみて、これが自民党の党是からかけ離れた考え方であったという思いを
強くしています。もちろんだからこそ、小泉元首相は、「自民党を壊す」と宣言
し国民的な喝采を浴びたのですが、しかしそれは、結局のところ資本主義を金融
資本の跋扈する市場にしてしまった。市場とは地域や社会に根付いたものである
のに、グローバルという名の、根っこのない賭けの要素の強い市場を作った、と
言うより本来の市場を破壊してしまったのではないでしょうか。
 汗を流して働く、あるいは人間に対する真摯なサービスを根本から作り直して
大切にする、そんな市場理念を拡充していくことの重要性が問われていると思い
ます。
 そしてさらに重要なことは、このような健全な市場を支える地域社会を再生する
ことであり、そのために、国家の基本である医療・福祉・教育を国がその責任にお
いて強く支えるという政策を打ち出すべきだと思います。
 英語で代表をレ・プリゼンタティブ(再び表すもの)と言いますが、この
「再び」とは、我々一人ひとりの思いを受け止めながら、しかしそれよりはるか
に深く大きなスケールで再び新たな考え方を示してくれるもののことです。
麻生新首相が、国家の再生に向けて真の代表として強いリーダーシップを発揮
されることを願うばかりです。

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お知らせ
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■食と8020運動〜食べる力は生きる力
 8020運動20周年記念シンポジウム

 抽選で900名様を無料でご招待
 平成元年に、厚生省(現・厚生労働省)と日本歯科医師会が提唱した8020運動
が、20周年を迎えることを記念してシンポジウムを実施します。80歳になっても
自分の歯を20本以上保つことを目標に、歯を大切にし、おいしく食べて、いつま
でも健康な毎日を過ごしませんか?

日時:12月4日(木)14:00〜16:30(会場13:30)
場所:よみうりホール(東京都千代田区
主催:日本歯科医師会、日本学校歯科医会、8020推進財団、読売新聞社
後援:厚生労働省文部科学省日本医師会、東京都歯科医師会、日本歯科医
学会、日本歯科衛生士会日本歯科技工士会、日本歯科商工協会他
協賛:サンスター、パナソニック、ライオン、ロッテ
◇主なプログラム
 ・基調講演「口福が幸福に・食べ方は生き方」
  砂田登志子氏(食育ジャーナリスト)
 ・ミニトーク「明日を素敵に生きるには」
  安藤和津氏(エッセイスト)
 ・パネルディスカッション
 <パネリスト>
  大久保満男氏(日本歯科医師会会長)
  猪谷千春氏(8020推進財団名誉会長)
  砂田登志子氏(食育ジャーナリスト)
  川口陽子氏(東京医科歯科大学大学院健康推進歯学分野教授)
  安藤和津氏(エッセイスト)
 <コーディネーター>
  前野一雄氏(読売新聞東京本社編集局医療情報部長)
◇申し込み
 郵便番号、住所、氏名、電話番号、年齢、性別を記入の上、ハガキ、FAX
もしくはホームページよりご応募ください。当選者の発表は、発送をもって
かえさせていただきます。
※お申し込みいただいた個人情報は、当選者の抽選・発送後、すみやかに廃棄
します。
 <ハガキ>〒107-0052 東京都港区赤坂6-5-28「8020運動20周年記念シン
ポジウム」事務局
 <FAX>03-3585-9962
 <WEB>http://www.smet.jp/8020/
◇問い合わせ先
 「8020運動20周年記念シンポジウム」事務局 TEL:03-3585-9931

このレセコン開発に関して業界紙に、もう少し詳しい記事がありました。

http://www.independent.co.jp/news/newsf.php

 村上専務理事 日歯レセコンは軽自動車“総額20万円以内で”

 村上恵一専務理事は日歯会務報告の中で、日歯によるレセコン開発事業について説明し「対象はレセコン未導入会員であり、安価で操作の簡単なものになる。いわば、必要最小限の機能を備えた軽自動車と言える。パソコンはじめ全く何もない会員で、パソコンとプリンター、初回費用、月額費用など全てを引っ括めて、私の個人的な考えでは20万円までで済むようにしたいし、その程度の金額でおさめたい」との考えを明らかにした。
 また、日歯レセコン開発事業は「何時かはIT化の波は押し寄せてくる。それに備え、日歯としては準備しておかなくてはならない。そのための準備である」ことの理解を求めた。同時に、レセプトオンライン請求義務化に対し、日歯は手挙げ方式を求めていく方針に変わりはないことを強調、その撤廃を求める三師会の共同声明を出すことを17日に決定し、来週にも舛添厚生労働大臣に声明書を届けることも発表した(声明書を届けた後に共同記者会見を開催)。

一方で、オンライン化に向けて日歯レセコンの開発を進め、もう一方で「一律義務化反対」を叫ぶ。
難しい舵取りですが、日医も同様。アチラは既に「オルカ・プロジェクト」によって、一方の道はある程度出来上がっています。その上での「一律義務化反対」。
日歯は、二つの道を同時に作らなければならない。

ただ、もう少し末端の「会員」に詳しい情報を開示する時期に来ているのは確かです。
「湘南宣言」よりも、あの時点で「日歯IT化宣言」を出して欲しかったと言うのが、私の意見です。

判る限りで、私の関わっているサイトには、情報をアップして行きます。