平成21年の初頭に日歯製作レセコンソフトを稼動へ

ネット新聞Dental Todayより、2月29日の都道府県会長会議の話題を2つほど、統合版にしてアップします。
日歯のメルマガも情報を早く伝えるようになりましたが、記事の内容はやはり業界マスコミの方が詳しい。

都道府県会長会議で主要会務報告

日本歯科医師会都道府県会長会議が2月29日,新歯科医師会館で開かれた.3月13日,14日に開かれる日歯代議員会を踏まえて,都道府県歯科医師会長に対して根回し的意味合いで,一般会務報告,レセプトオンライン関係報告,社会保険中医協関係報告,平成20年度厚生労働省歯科保健医療対策関係予算の説明などが行われ,意見や質問などを求めた.
以下のとおり,大久保満男会長が挨拶した.

<大久保会長挨拶>

0.42%の診療報酬改定であり,そこに新しい点数を付け,よい方向へもっていくには,合理化をして内容を満たす作業をしなければならない.歯科はもはや切り捨てるものはないのだと主張をしており,0.42%の枠のなかで点数の貼り付けが行われることが原則である.
今回の改定がよかったとは思っていない,断腸の思いで受け入れた.財源がどこまで影響率をもっているか,を見守りながらやってきた.しかし,結果がすべてであり,4月以降の3カ月の状況で対応したい.
また,レセプトオンライン化も目標が設定されているが,あくまで義務化には反対であり,その旗は降ろさずにいきたい.しかし,目標が設定されている以外は準備をしなければならない.先生方に指摘されるなかで多くの課題をかかえており,精一杯頑張っていきたい.
新しい公益社団への移行も大きな問題を抱えており,会長選挙について公益法人は原則として理事者の互選で会長を選ぶという規定もあるが,財団法人と違い社団法人の日歯は人が集まって組織をつくっている.会員の意思が反映された形で会長が選ばれるべきだと思う.あと1年の任期であるが道筋をつけるとともに,解決できるものは解決したい.

一般会務報告は,村上恵一専務理事が行い,次いで近藤勝洪副会長がレセプトオンライン関係報告を,渡辺三雄常務理事が社会保険中医協関係報告を行った.

<レセプトオンライン関係報告>

レセプトオンライン請求については,これまで一貫として,自由参加の手挙げ方式で行われるべきで,期限を区切って不当な義務化には断固反対であると主張してきた.
しかしいかなる事態にも対応可能な対策を講じることを念頭に,会員専用のレセコンソフトを平成20年度中に開発に着手する.しかし,日歯にはそのノウハウがないので,実際にできるのか,費用対効果はどうかなどを検討する.マスタープランの最終報告が6月にまとまるので,レセコンソフトの開発に取り組むかどうかを決断することとなる.
当初の計画は大幅に遅れているが,定例会議で合意されており,これから基本設計に入る.平成21年の初頭にはレセコンソフトを稼動させたい.請求権があるので,紙での請求のために請求が拒否されることはあってはならない.医科は平成9年から,調剤は13年からレセプト電算処理が手挙げ方式で行われている.また平成18年度からは試行的オンライン請求が医科と調剤で行われている.しかし,10年を経過しても医科診療所は14.1%の普及である.
 歯科は2年間でオンライン請求をさせるのか,と訴えるために国会議員向けの資料を作成し要望している.自民党公明党民主党にも財源的補助もお願いしている.日歯が開発するレセコンソフトをどのように行うかについても色々と検討をしてきた.20数%の会員が手書きであり,その13,000の会員の先生方が対応できる安価なレセコンソフトを開発したい.
それにより流通しているレセコンソフトの引き下げが期待できる.せっかく作っても誰も買わない,のでは会費を使って開発する意味がない.必要不可欠だと判断して進めていきたい.省令改正もともなうので医師会,薬剤師会とも連携し,対応していきたい.

社会保険中医協関係報告>

平成20年度診療報酬改定総括報告をもって行いたい.厚生労働省との最終報告があるが,これまで1月間で厚生労働省の担当官との直接30回の会合があった.1回4〜5時間これからの診療報酬体系を作るために努めてきた.
総括報告には診療報酬改定の大きな流れが記載されている.平成18年改定に対する本会の見解では,歯科医学的根拠および臨床現場の実態に対する認識を欠いた変更および義務.規制の導入,従来認められた保険診療受診の既得権の制限の危険性,歯科医師裁量権および診療報酬請求権の侵害の恐れ,改定項目による財政影響の推計の不確実性の4項目を指摘した.
その直後,全会員に対する緊急アンケート調査で,診療に支障をきたしている要因や改定で患者に不利益をもたらすと思われる内容が明らかとなった.これらを今回の改定項目に掲げた.中医協で歯科医療費の推移を述べるとともに,政治家たちにも現状を説明した.実際に歯科診療所にどのような影響がおよんでいるかも明らかにした.平成19年は前回に比べ9.0%のマイナスであり,中医協の場で改定影響率を強く訴えた.
 診療所の収支差額122.9万円には,院長報酬ほか,建物,設備等の改築,更新の費用,借入金の返済,院長の退職金,法定福利費相当部等が含まれ,一般歯科診療所の勤務歯科医師の給与55.0万円のレベルに近づくことも指摘した.
また,診療報酬改定の基本方針として社会保障審議会で,質の高い医療を効率的に提供するための医療機能の分化,連携の推進の視点が打ち出された.歯科医療の充実として,歯科診療に関する指針の見直し等を踏まえ,口腔機能を含めた総合的な管理とあわせて,歯や口腔機能を長期的に維持する技術等についての評価のあり方について検討すべきであるとされた.
 前回の診療報酬改定では,医療費の配分のなかで,効率化余地があると思われる領域に歯科が入れられてしまった.まさにここから悲劇始まった.今回は歯科医療の充実を我々は訴えてきた.
 平成18年に執行部が発足した当初は,厚生労働省の担当官は一歩も本会に足を踏み入れなかった.大久保会長の努力で厚生労働省ともに基本的に歯科診療をどのように再構築していくか討議することができた.その結果が指導管理体系の見直し,文書提供の改善である.
 また,歯周治療体系の回復(見直し)で,歯周外科手術も繰り返しできる.齲蝕処置の見直し,齲蝕処置制限の解除が一番大きい.平成18年診療報酬改定以前に戻った.在宅訪問医療は,その重要性を訴え認められた.文章提供も廃止した.初・再診料を統合したが,これは医科に初・再診料が包括されているからだ.厚生労働省には,歯科の初・再診料の削減の声があった,実質的には周辺装置加算として点数を確保した.
 ラバー加算などは苦渋の選択として,初・再診料へ統合した.最終的疑義解釈等の文章通知は3月5日,6日に公示される予定である.今後はレセプト・カルテの簡素化や歯周疾患処置の算定要件の緩和,低評価技術料の評価の見直しなどに努めたい.

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『最終的疑義解釈等の文章通知は3月5日,6日に公示される予定』とありますが、今の所厚労省のHPなどには出ていないようです。アップされ次第、ブログでもお知らせします。