日歯メールマガジン-[No.051 08/04/14]より

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1》コラム<テイク・オフ>
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■歯科疾患管理料の推進を 〜改定後、半月経過〜
日本歯科医師会社会保険担当常務理事 渡辺 三雄

会員診療所の改定の手応えは如何か?
今回の改定の大きな流れの一つが指導管理体系の見直し、再編成であり、とり
わけ、P管理、C指導等からの「歯科疾患管理料」(歯管)への一本化である。
3月までP、Cの指導管理をしてきた患者さんへは、継続用の歯管用紙のチェッ
クをして提供し、2回目以降の管理料(110点)の算定、歯管に慣れていただき
たい。
初回用(130点)の用紙はサイズが大きく、内容も多いが、患者さんからの情
報提供が半分であり、実施してみると患者さんの生活習慣がよく分かり、指
導管理も容易になる。
なお、算定は連月できるが、再度の文書提供は基本的には3月に1回である。
診療の充実のためにも、是非積極的な推進を期待する。運用の詳細を追加の疑
義解釈でできる限り明解にしていきたい。

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2》JDAウィークリー
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■医療事故の5割は手技ミスと不注意
 歯科医療安全ネットワーク事業―第1回報告書

 日歯歯科医療安全対策委員会が「歯科医療安全ネットワーク事業 第1回報
告書」を取りまとめ、3月27日の第14回理事会に提出した。同報告書は、都道
府県歯から報告のあった歯科診療所での医療事故・医事紛争事例160件
収集・集計・分析。行為、原因、過失の各分類別の発生状況や、再発防止策、
本事業の概要の説明等をまとめている。

 事例収集・集計・分析の結果、医療事故発生の行為別では「補綴」が最も多
く29.5%。次いで、「保存」22.5%、「口腔外科」17.3%、「麻酔」8.1%、
インプラント」6.9%の順であった。

 医療事故の原因別では、最も多かったのが「診療結果への不満」で13.2%。
「誤飲・誤嚥」11.5%、「機械、器具による汚損・傷害」10.9%が続いた。

「診療結果への不満」の内訳の上位は、「補綴」41.7%、「インプラント
33.3%、「保存」16.7%であった。

 また、起こった事故の過失別で最も多かったのは「手技ミス」で26.2%。
「注意確認不足(不注意)」22.0%、「インフォームドコンセント不備」
9.8%が続いた。

■随時登録申し込み可能に
 日本糖尿病協会歯科医師登録医制度

 国民病とも言われる糖尿病対策に寄与するため、日歯が日本糖尿病協会と検
討を重ねて昨年に創設した「日本糖尿病協会歯科医師登録医制度」の登録申し
込みが、本年4月から随時可能になった。

 本制度は、医科歯科連携の一環として、必要に応じて糖尿病・歯周病を罹患
している患者を、「日本糖尿病協会登録医・療養指導医」と「歯科医師登録医」
が相互に紹介する制度。

 登録申し込み並びに本制度の詳細は、同協会HP
http://www.nittokyo.or.jp/)参照。

■52.5%が歯周疾患検診実施
 平成18年度地域保健・老人保健事業報告の概況

 厚労省は3月28日、平成18年度地域保健・老人保健事業報告の概況を発表した。

 地域保健事業では、保健所及び市区町村における歯科健診・保健指導延人員
は448万2461人で対前年度比94.7%と減少したが、予防処置延人員は229万3236人
と同103.6%増加した。歯科の衛生教育は、開催回数3万2618回、参加延人数
112万7159人であった。また、歯科医師の常勤職員は、全国で120人と前年度比
23人減少し、歯科衛生士も724人と7人減少した。

 老人保健事業では、歯周疾患検診の実施率は直近5年間で最高の52.5%であ
った。受診者総数は18万6387人で、指導区分別では「要精検者」が全体の77.5%
を占める14万4489人。40歳から70歳のいずれの年齢でも7割を超えた。
「要指導者」は10.9%の2万225人、「異常認めず」は11.6%の2万1660人。
歯周疾患に対する集団健康教育は6868回、参加延人員14万2512人であり、歯周
疾患相談は1万166回、被指導延人員14万3421人であった。