日歯メールマガジン[No.059 08/06/16]

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1》コラム<テイク・オフ>
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■問われる給付と負担のあり方―後期高齢者医療制度の行方―
 日本歯科医師会会長 大久保 満男 

 医療制度改革の大きな柱としてスタートした「後期高齢者医療制度」への批
判が沸き起こっているが、今回の批判が負担のあり方にのみ集中していること
には、大いに不満がある。

 言うまでもなく、医療制度は、負担と給付がワンセットになっており、その
バランスこそが問われねばならない大切な要件である。給付とは、我々から言
えば医療提供のことであるので、これを抜きにした負担のみの論争は、片手落
ちの感を免れない。

 今回の後期高齢者の医療制度の制定に当たって、我々は在宅や施設の場での
歯科診療をどのような条件の下で実施し得るのかを、真摯に議論してきた。
科医療が基本的には外科的な手技を中心にしたものである以上、歯科医師にと
って在宅や施設での医療には様々なハンディーがあり、それをどのような条件
でクリアしていくかが、超高齢社会を迎える我が国にとって極めて大切なこと
である。

 制度への批判は批判として言わねばならないが、同時に納得できる給付と負
担のあり方の議論が起きることを願っている。

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2》JDAウィークリー
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■6団体、67名集い協議
 役員合宿勉強会

 日歯理事者や日本歯科総合研究機構関係者、日本歯科医学会、8020 推進財
団、日本学校歯科医会、日歯連盟、日本歯科商工協会の各関係者、計67名が一
堂に会して互いの意思の疎通を図る役員合宿勉強会が6月4日、5日の両日、新
歯科医師会館で開催された。一昨年5月には「湘南合宿」を実施したが、今回
は、任期最終年を迎えるに当たり、これまでの2年間の会務に基づき、抱える
課題への対応方法等を探ることなどを目的に開いた。

 勉強会で取り組んだ課題は、「あるべき歯科医療」と「あるべき歯科保健」
の2つ。1課題に4チームずつ、計8チームがそれぞれ別れて湘南合宿同様、KJ
により現状分析や将来のあるべき姿などについて意見交換を行った。

 また、勉強会最終日となる2日目には、課題ごとに協議結果の発表を行い、
「あるべき歯科医療」では保険外併用療養費制度の有効的な活用を、「あるべ
き歯科保健」では口腔保健法(仮称)の制定を見据えた報告を行った。

 本勉強会の取りまとめは、6月末を目途に作成する報告書で行う予定。

■日歯年金適用利率 19年度は▲3.87%に

 平成19年度の年金給付額等を決めるための平成19年度日歯年金適用利率が
5月29日に開催された第2回理事会の協議を経て▲3.87%に決定した。

 平成19年度は、サブプライムローンの問題に端を発した金融市場の混乱や景
気不透明感の強まりによる下落基調が継続した影響を受けた。

 執行部としては今後の運用体制をより強固なものとするため、「資金管理運
用委員会」を中心に日歯年金基金の管理・運用について改善を目指している。

■おとな世代こそ必要なオーラルケア〜生活習慣を見直して一生付き合える歯を〜
 読売新聞第6回「デンタルヘルス・シリーズ」シンポジウム

 読売新聞第6回「デンタルヘルス・シリーズ」シンポジウム「おとな世代こ
そ必要なオーラルケア〜生活習慣を見直して一生付き合える歯を〜」が6月7日、
東京・JAホールで開催された。来場者は会場満員となる約400名を数え、盛会
を極めた。主催は日歯・読売新聞社、協賛は江崎グリコ株式会社。

 シンポジウムでは、田上順次・東京医科歯科大学歯学部長による基調講演
「おとな世代こそ必要なオーラルケア〜生活習慣を見直して一生付き合える歯
を〜」の他、川口陽子・東京医科歯科大学大学院健康推進歯学分野教授が「お
口のエチケット〜オーラルケアで口臭予防〜」と題して、向井美惠・昭和大学
歯学部口腔衛生学教室主任教授が「安全で味わい豊かな食べ方習慣を」と題し
てそれぞれプレゼンテーションを行った。

 また、3氏に加え、俳優の渡辺徹氏を交えて行われたパネルディスカッショ
ンでは、「オーラルケアで充実した快適な一生を」をテーマに、生活していく
上での口腔ケアの大切さ等を呼びかけた。


「在宅歯科診療に関しては、ボランタリーではなく、キチンとした報酬を設ける。しかし、歯科医師全員が始められても困る。2万5千人程度が協力して下されば良い。」
ある厚生省の官僚の方の言葉であります。
こう言ったジレンマから始った制度であるから、当初からうまく行くはずがない。
施設基準を厳しくしせざるを得ないのだろうな。

合宿で使われたkj法は、記事にあるとおり、2年前の「湘南合宿」でも使われた一種のブレーン・ストーミング的な意見のまとめ方です。参加したグループごとに、テーマに沿ってそれを表す端的な短いコトバを出して行ってもらい、出てきたコトバを近いもの、遠いものに分けて行って、ある種の結論を導き出すと言った所でしょうか?

日歯年金の平成19年度の適用利率が▲3.87%って、どういう事だろう?積んだ分が目減りすると言うこと?
今まであまり聞いたことがないなぁ・・・