日歯メールマガジン-[No.067 08/08/11]

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コラム<テイク・オフ>
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日歯会員組織率向上を考えるパート4
 日本歯科医師会会計担当常務理事 高木 忠雄

 去る7月19日、平成20年度東北地区歯科医師会連合会担当理事協議会に出席
した。

 資料より、東北地区6県の一般会員の定額年会費は24〜10万円で、低い定額
の県歯は別に所得割賦課が千分の2〜3.5とのことである。

 一方、入会金は最低60万円、最高150万円で、分割払いも最優遇で1年以内に
完納しなければならない。入会金の使用目的でも会館建設(改築)が3県、積
立金が2県、一般会計2県となっている。県歯入会前の郡市区歯でも同様である
と思う。

 日歯では、機構改革検討委員会の中で入会金10万円をなくす、あるいは、超
長期分割的な一般年会費3万3千円+2千〜3千円(超長期分割入会金部分)の入
会促進方法を検討中である。

 開業当初の若い先生の入会を促進させるためには、郡市区歯、県歯、日歯と
連携する話し合いの場を作り、経済的負担軽減策を講じる必要がある。

 歯科医師会が住民を中心とする地域歯科医療、歯科保健を担う「公益法人
に認定されることは当然である。このためにも、未入会問題は解決に向けて促
進させる最重要課題と考える。

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JDAウィークリー
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大久保会長コラム「会意」
 裁判員制度から見えるもの

 来年5月よりいよいよ新たな裁判員制度が始まります。
 
 裁判員に選ばれるのは、個人で見れば一生のうちに67人に1人の確率ですが、
職種として捉えると、約10万人に達しようとしている歯科医師が選ばれる確率
はかなり高くなり、そうなれば診療を休んで裁判所に通うことになります。
しかし、最近になって本制度への批判が高まってきました。

 私は元々この制度に根本的な疑問を抱いていました。それは後述するとして、
日歯顧問の河上弁護士が、ある雑誌に極めて論理的に整理された批判を書かれ
ましたので、まずそれを抜粋して紹介します(まとめの責任は私にあります)。

 まず一点目に、憲法は裁判官による裁判を前提としており、賛否はあるが、
憲法違反の疑いがあること。次に、国民の参加が何故殺人などの重大事件だけ
なのか。殺人を犯した被告人を死刑にするか否か、この困難な課題に教育を受
けてきた裁判官でさえ逡巡するのに、一般市民にそれを期待する。そのことの
市民の心理的な負担を全く考慮していない。さらに国民の参加が一審だけに限
られているのは、もしいい加減な裁判をしても高裁で是正できるとしか考えら
れないが、それでは国民を参加させるという理想に、どんな意味があるのかと
考えざるを得ない。

 この河上弁護士の指摘は説得力があります。
 
 私は、もっと素朴な出発点に立って、本制度に疑念を抱いてきました。それ
は、他者はともかく、この私に、人を裁く資格があるのかという切実な問いで
す。私は、人を裁けるのは裁判官という、個人ではなく、法律と国家の体現者
としての専門家だけだと考えています。もちろん裁判官も人として時には誤り
を侵すでしょう。その時は、体現者として責任を取る。それが国家の筋だと思
います。先の私に資格がないという問いへの答えは、一人で決めるのではない。
裁判員の合議で決めるのだという答えが返ってくるのだと思います。しかし、
それこそ無責任の極みではないでしょうか。

 極刑を決めた裁判に私が参加して、もしそれが後に間違いだと判明した時、
皆で決めたことだから私に責任はないのだという論理を、到底私は受け入れる
ことはできません。

 結局この制度は、国民を参加させるということの真の意味を問いただすこと
なく、ただ国民が参加することが良いことなのだという単純な論理、いや論理
以前のものでしかないといったら言い過ぎでしょうか。

 私は、ここにもポピュリズムの影を見て、暗澹たる思いがしています。本制
度は、単なる裁判への参加だけでなく、我が国の国柄にも関わる根本的な思考
を我々に迫っていると、私は考えています。

歯学部定員の医学部への上乗せ認める 平成10年度比10%超の削減が条件
 文科省、医科・歯科双方を持つ私大対象に方針示す

 文科省は8月5日、地域医療に貢献することを条件に、平成21年度の医師養成
課程で入学定員増を認める通知を、医学部を置く全国79の国公私立大学長宛に
出した。医師不足対策として、地域医療貢献策を講じることを条件に、ピーク
であった昭和57年度の8280名程度までの増員を認める。

 歯科関係では、医師・歯科医師双方の養成課程を持つ私立大学を対象に、平成10年度の入学定員から10%を超える削減を行う場合に、削減分を医師養成課程に上乗せできる。

 なお、日歯は、箱崎守男副会長が7日に文科省を訪れ、通知に係る意見交換
を行い、方針等を確認している。

日歯福祉共済制度 協同組合への移行、他の保険会社への委託の2者択一
 保険業法適用除外も求める
 都道府県歯厚生担当理事連絡協議会

 都道府県歯科医師会厚生担当理事連絡協議会が8月5日、新歯科医師会館で開
催され、公益法人制度改革並びに保険業法改正に伴う日歯福祉共済制度の今後
の方向性として、協同組合への移行、他の保険会社への委託の2者択一の方向
で検討していくことを示した。

 また、日歯福祉共済制度の自主運営を可能とするため、保険業法適用除外を
併せて求めていく意向も示した。

舛添厚労相留任 副大臣には鴨下元環境相、渡辺参議院議員

 福田改造内閣が8月2日に発足し、舛添要一厚労相は留任した。
 
 また、厚生労働副大臣には福田内閣環境相を務めていた鴨下一郎衆議院
員と、渡辺孝男参議院議員が就任。同政務官には金子善次郎戸井田とおる
衆議院議員が就いた。

<関連記事>

医学部の定員増については、文科省で説明会が開催されています。

医学部定員増で大学が混乱

歯学部を持っている昭和大から以下の質問があった。

昭和大 歯学部を持っているが、仮に医学部定員が120人になったとして、120人プラスアルファにできると考えてもいいか。
文科省 他の養成課程を持っている大学で医学部定員が120人のところは、個別の事情として相談していただきたい。